半減期
系外の量 · SI 秒で表される · 核種の性質
一九〇〇年、アーネスト・ラザフォードはトリウムの放射線が時とともに弱まること、そして何より、でたらめにではなく、まったく規則正しく弱まることに気づいた。毎分、前の強さの同じ割合を失っていたのである。こうして、温度にも圧力にも物質の化学の状態にもよらぬ量が見いだされた — 原子核の半分が崩壊するまでの時間である。
その風変わりなところは、これが多数についての量であって、一つの原子核についての量ではない点にある。たった一つの原子には年齢も期限もなく、次の秒に崩壊するのか、あと百万年横たわるのかは、原理的にさえ予言できない。だが原子核はふつう多い — 一グラムに十の二十一乗ほどある — そしてそれほどの群れの上では、偶然が正確な法則になる。
01 · 定義
半減期とは、ある核種の原子核の数が半分に減るまでの時間である。それは崩壊定数と一意に結びついており、この定数は一つの原子核が単位時間に崩壊する確率を与える。また平均寿命とも結びついており、こちらは半減期よりおよそ半分だけ長い。
指数の法則はただ一つの仮定から出てくる。原子核が崩壊する確率は、それがすでにどれだけ生きたかによらない、という仮定である。原子核は老いず、すり減らず、いかなる期限にも近づかない — どの瞬間にも、生まれた瞬間と同じだけ崩壊する用意がある。だからこそ、生き残りの割合は等しい時間の切れ端ごとに同じ倍率で減る。
この量の並はずれた揺るぎなさは、崩壊が原子核の内で起こり、そこに化学の手が届かないことから来ている。熱も圧力も磁場も化合物の種類も半減期には働かず、ただ稀に、核にもっとも近い殻の電子が崩壊に加わるときだけ、百分率の端数ほど動かすことができる。
値の幅は目録のどの量にもないほど大きい。核子が核をひと巡りするより先に砕けてしまう原子核の十のマイナス二十二乗秒から、テルル-128 の二兆兆年あまりまで。その半減期は宇宙の年齢を十万兆倍も上回る。そしてそのすべてが、ただ一つ同じ半分の法則にしたがう。
つまみで時を運び、反対の向きに分かれていく二つの曲線をご覧いただきたい。橙の曲線は生き残った原子核の割合を示し、青い段は半分、四分の一、八分の一を印し、右の棒ははじめの百個の原子から残ったものである。時は半減期で数えられ、四つの核種すべてに同じだが、文字はそれを本当の時間、年、千年紀に直してくれる。
半減期は多数の性質であって、一つの原子の性質ではない。原子核は老いず、どの瞬間にも、存在の最初の一秒と同じ崩壊の確率をもつ。ゆえに一つの原子については確率より確かなことは何も言えず、十億個についてはほとんど何でも言える。予言のばらつきはその数の平方根のように小さくなる。
02 · 換算
半減期、定数、放射能
好きな単位で半減期を入れていただきたい。カードはそれを他の単位に直し、崩壊定数と平均寿命を与え、それから純粋な核種一グラムがどれだけの放射能を出すか、与えられた期限の後にどれだけ残るかを示す。
比放射能を計算するための質量数は、対話の部分で選んだ核種から取られる。カードの細かな設定では、取り決めの百に移ることもできる。
半減期が短いとは放射能が高いということであって、無害ということではない。核種が速く崩壊するほど、一秒に落ちる崩壊は多くなり、テクネチウム-99m 一グラムはウラン一グラムより数千万倍も明るく放つ。危うさを定めるのは半減期だけではなく、それとともに放射線の種類、核種が体のどこに落ち着くか、そしてどの道から体に入るかである。
| 値 | 注記 | ||
|---|---|---|---|
| {u} | {name} | {value} | {note} |
03 · 桁の並び
対数尺度:五十四桁04 · 測定器
待ちきれぬものを何で測るか
半減期を測るもっとも素朴なやり方は、かちかちという音を数え、その速さが時とともに落ちるのを見ることである。数分から数年生きる核種に向いている。それより短い期限では計数が集まりきらず、長い期限では減りが読みの避けがたいばらつきに紛れてしまう。
ゲルマニウムの半導体検出器は量子のエネルギーを百分率の千分の一まで見分け、十ばかりの核種の混ざりの中から一つを追うことを許す。一方、スペクトル線そのものの幅は、一ナノ秒より短く生きる状態の半減期を漏らす。寿命が短いほど準位は広い。
長く生きる核種では崩壊を待っても意味がない。だから原子を一つずつ、磁場の中で質量ごとに選り分けて数える。放射性炭素年代測定はまさにこれに立っている。試料の中に探すのは放射線ではなく、炭素-14 の原子核そのものであり、それは普通の核一兆個に一つの割合である。
一兆兆年の半減期は、物質を何トンも取って一年待つことで測る。いくつかの崩壊はそれでも起こる。それらを見分けるため、装置は一キロメートルの岩の下に隠され、沈んだ船から引き揚げた古い鉛で囲まれる。そして数えるのは、月に二つばかりの出来事である。
05 · 表記の規則
核種が先、単位が後
表記は大文字のラテン文字と下付きの「二分の一」で書き、質量数は元素記号の左上か、その名の後に短い線をはさんで置く。単位はつねに記し、大きさの手ごろなものを選ぶ。半減期を平均寿命と混ぜてはならない — 両者は 1.443 倍だけ違う。
はじめの書き方は二重に誤っている。ウランには半減期の異なる同位体がいくつもあり、しかも単位が落ちている。二つめは半減期を平均寿命と等しく置くが、後者は 1.443 倍長い。三つめは指数曲線が許さぬ尽き方を想っている。二つの半減期のあとには四分の一が残る。四つめは一つの原子に、それがもたぬ期限を負わせている。
06・近隣の単位
半減期は、同じ崩壊を別の側から述べる量と並んで立つ。ベクレルで測られる放射能、逆数の時間という次元をもつ崩壊定数、そして平均寿命である。そのどれか一つを知れば足りる — 残りは一つの倍率でついてくる。
毎秒の崩壊数
逆数の秒
1.443 倍長い
Simetrium の 要覧のうち 隣に並ぶのは ベクレル と キュリー、放射能そのものを測るための、 グレイ と シーベルト 吸収線量と等価線量のための、 バーン 核の断面積からの、そして 秒、半減期が結局そこで表される。
07 · 歴史の部
巻くことも止めることもできない時計
ラザフォードは、トリウムが放つ気体の放射線が等しい間隔ごとに同じ倍率で落ちることを見いだし、はじめは半変換の時間と呼んだ量を導き入れた。これは自然のなかで、その速さを何によっても変えられぬ最初の過程であった。
ケルヴィンは地球という球の冷えから二千万年から四千万年という年齢を導いたが、地質学者たちにはその期限が絶望的に足りなかった。ウラン鉱物に溜まった鉛はただちに何十億年を与え — ついでに、ケルヴィンの計算がなぜ敗れる定めであったかも明かした。彼は、深みが自らの崩壊で温まることを知らなかったのである。
ウィラード・リビーは、生き物が絶えず周りと炭素をやりとりしていること、そして死のあとにやりとりが止み、時計が動きはじめることに思い至った。この方法は、碑文から年代の知れていたエジプトの墓の木で最初の試みに耐え、その年代との違いはわずか一世紀半であった。
使用済み燃料の処分場は、そこに収める核種の半減期に合わせて設計される。そして出てくる期限は、仕事が工学の外へ出てしまうほどのものになる。まだ存在せぬ言語をもつ人々に、どうやって警告を残すか。フィンランドのオンカロは十万年を見込んで計算されている — 書かれた歴史の全部より十倍長い。
唯一、合わせられない時計
時を測るどの道具も働かなくすることができる。振り子は一撃で拍子を失い、水晶は熱で流れ、原子時計さえ重力のために直さねばならない。放射性崩壊はこの列の中でひとり離れて立つ。それは原子核の内で起こり、そこには温度も圧力も化学の結びつきも届かないからである。
このような揺るがなさには裏の面もあり、しかも不快な面である。過程を早めることができぬ以上、廃棄物を無害にすることは原理として不可能である。ただ待ち過ごすほかなく、その待ちはいかなる国家、いかなる言語の寿命をも超える。実験室では便宜に見える単位が、処分場の尺度では、言い争いようのない枷に変わる。
カタログ · 測定単位
それぞれの量に一つの要覧
SI 基本単位が七つ、固有の名を持つ組立単位が二十二、そして技術も暦も成り立たない体系外の量。