STL 近似公差
608 軸受用のハウジングを AutoCAD で Ø22 の穴付きで描き、プリントに出しました。軸受が入りません。ノギスはファセット間で 21.67、頂点間で 22.00 を示します。モデルでは穴は円でしたが、STL では 18 角形になりました:デフォルト設定のエクスポートが、穴を 20° ずつのファセットに分割したのです。各弦の弦高は 0.17 mm、直径では 0.33。
STL 形式は円弧を保存しません:どんな表面も三角形の集まりです。置き換えの精度は二つの公差で決まります。弦公差 h は、ファセットが表面からどれだけ離れてよいかをミリメートルで制限します。角度公差 α は、隣り合うファセットのあいだの折れ角を制限します。円周上のファセット数は、二つの要求のうち大きいほうです。バイナリファイルでは三角形一つが 50 バイトなので、精度はファイルサイズで支払うことになります。
| 記号 | h——弦高、chordal deviation、mm;α——ファセット間の角度、° |
| 関係 | h = R(1 − cos π/n) ≈ π²R / 2n²; n = π / arccos(1 − h/R) |
| ファセット数 | n = max(弦公差による n, 360°/α);ファセット数が倍なら h は 4 倍細かく |
| ファセット間の直径 | D · cos(π/n):18 ファセットの穴 Ø22 なら 21.67 |
| ファイルサイズ | バイナリ STL:84 + 50 · T バイト、T は三角形の数 |
| どこで | 3D プリント用エクスポート、スライサー、メッシュによる CNC 加工、スキャンと CAD との比較 |
01 · 定義
円弧、弦、そのあいだの弦高
半径 R の円を n 本の弦に分けます。各弦は円弧から内側へ離れ、いちばん離れるのは中央です。この距離が弦高です:h = R(1 − cos π/n)。n が大きければ、ほぼ π²R / 2n² に等しくなります。ファセット数を倍にすると弦高は四分の一に。同じ n のまま半径を倍にすると、弦高も倍になります。
だから公差一つでは足りません。ミリメートルで決める弦公差は歯車でもタンクでも同じように正確ですが、半径 0.5 mm ではファセットが三つか四つしかできません。角度公差は小さな丸みの形を保ちますが、大きな半径では目に見えるファセットが残ります。エクスポートは両方を使い、円弧ごとに二つのうち多いほうのファセット数を選びます。ファセットの頂点は表面の上にあり、ファセットそのものは凸面では内側に、穴では外側に入ります:STL の穴は必ず小さく、軸は必ず細くなります。
円はいくつのファセットになるか
行は丸みからタンクまでの半径。帯は弦公差によるファセット数、対数目盛。右はその半径の円柱の三角形の数。
五つの部品、二つの公差、二台のプリンタ
メインの操作は「エクスポート開始」ボタン。CAD の部品はなめらかです:青いアイソラインは本当の表面の上にあります。エクスポートすると部品は三角形で覆われ、カウンタが三角形の数とファイルサイズを数えます。ルーペは一本の弦とその弦高を示します。次にファイルはプリンタへ送られ、部品は一層ずつ積み上がります。ファセットがプリンタの分解能より大きければ、部品にはファセットが残ります。最後のステップは部品の主要寸法による検査です。シーンの下で部品——軸受用ブッシュ、ボールノブ、ローラ、シェード、O リング——と、エクスポート公差、プリンタを選びます。「なめらかな表面」ボタンは、本当の形をファセットの上に重ねて表示します。
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02 · 換算
概算:n ≈ π · √(R / 2h)。R 10、h 0.01 なら約 70 ファセット、R 100 なら約 220。プリント用の弦公差は、プリンタの分解能の二分の一から四分の一にするのが妥当です。
STL は単位を保存しません。ファイル中の数 22 を、スライサーは 22 mm と読み、インチ単位のソフトは 22 inch と読みます。弦公差は図面単位で指定するので、メートル単位の図面では「0.01」はセンチメートルです。
| ファセット数 n | 角度 | R 10 での h | ファセット間 Ø20 | 使われる場面 |
| {k} | {v} | {h} | {a} | {n} |
03 · 桁の並び
04 · 測定器
05 · 表記の規則
シリーズ · 製図と CAD
各シートに添える机上のヒント06 · 隣り合う単位
07 · 歴史の部
弦高は、石工や大工がアーチの墨付けに使った矢高と同じものです:弦と矢高から半径を求めました。式 h = R(1 − cos π/n) は幾何学であって、規格ではありません。STL の規格は公差を定めていません:公差は、エクスポートする人がプリンタと部品の用途に合わせて選びます。
近似の誤差はプリントの誤差に加わります。弦高が 0.17 mm でプリンタの精度が 0.1 なら、穴は 0.3–0.5 mm 小さくなります。弦高が 0.001 mm なら、それはプリントの誤差に埋もれ、ファイルは数百倍に増えます。妥当なのは、ファセットが機械の表現できる大きさより少しだけ細かいところです。
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