電気流体
1746 年、ライデン。ピーテル・ファン・ミュッセンブルークは瓶の中の水を起電機で帯電させ、片手で瓶を、もう片手で導線をつかんで、強烈な衝撃を受ける。彼は書いた。フランス王国をそっくりもらっても、二度目は御免だ、と。電気は液体のように、瓶に蓄えられるのだった。
フィラデルフィアのフランクリンは、これを一つの流体で説明した。流体はあらゆる物体にある。流体が標準より多い物体は正に、少ない物体は負に帯電している。摩擦は流体をつくるのではなく、移し替えるだけだ。物質としての流体は電子の発見とともに消えたが、プラスとマイナスの符号と電荷の保存は、永遠に残った。
| 記号 | fluid · electric fire · 尺度 Fr |
| どう見積もったか | 火花の長さ、衝撃の強さ、検電器の箔の開き具合から |
| 何を前提としたか | 重さのない一つの流体 · 過剰がプラス、不足がマイナス · 保存される |
| 導入と放棄 | デュ・フェの二流体、1733 · フランクリンの一流体、1747 · トムソンの電子、1897 |
| 今日の書き方 | 電荷 Q、単位はクーロン · e = 1.602 176 634·10⁻¹⁹ C(厳密値) |
| 代表的な値 | 15 µC — ライデン瓶 · 15 C — 雷 · 1 Fr = 2.08·10⁹ 個の電子 |
01 · 定義
プラスは過剰、マイナスは不足
ガラス棒を絹でこすってみよう。フランクリンによれば、流体は絹からガラスへ移った。ガラスは過剰を得てプラスに、絹は不足でマイナスになる。一方の物体で増えた分だけ、もう一方で減る。合計は変わらない。
符号はフランクリンが当てずっぽうに選んだもので、しかも運が悪かった。導線の中を実際に走るのは電子で、電子はマイナスを帯びている。だから教科書の電流はプラスからマイナスへ流れ、電子はその逆向きに進む。それでも流体の最も大事な規則は正しい。どんな実験でも電荷は保存される。
どれだけ移ったか
二つの容器はガラスと絹で、点線は流体の標準の水位。スライダーは、絹でガラスをこすった回数。点線より上の青は過剰でプラス、点線より下の赤は不足でマイナス。下の帯は電荷の合計で、つねにゼロ。容器の下には今日の書き方を示す。電子がガラスから絹へ移ったのだ。
瓶に溜めて火花を待つ
主な操作は「機械を回す」ボタン。左ではガラス球がクッションにこすれ、青い流体のしずくが導線を走って瓶の内側の電極に入る。流体が多いほど電圧は高い。右は放電間隙で、二つの真鍮の球の隙間はスライダーで決める。電圧が空気の絶縁破壊、およそミリメートルあたり 3 kV に達すると、黄色い火花が飛び、瓶は空になる。右の画面は電圧を時間に沿って記録する。時間は実時間である。
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02 · 換算
| {n} | {v} | {note} |
フランクリンとは、同じ電荷を 1 cm の距離で 1 ダインの力で押しのける電荷である。3.335 64·10⁻¹⁰ C にあたり、電子およそ二十億個分。この単位は 1941 年にフランクリンにちなんで名づけられた。
アンペア時は、電流 1 A のとき一時間に流れる電荷で、3600 C。4000 mA·h のスマートフォンの電池は 14 400 C を蓄える。電荷では雷千回近くにあたるが、電圧はわずか 4 V だ。
03 · 桁の並び
04 · 測定器
05 · 表記の規則
06 · 隣り合う単位
07 · 歴史の部
流体は手近なもので測られた。火花の長さ、衝撃の強さ、電池に入れた瓶の数。1785 年にクーロンが初めて力の法則を示し、電荷は単位をもつ量になった。CGS の単位はフランクリン、SI の単位はクーロンで、アンペアと秒から導かれる。
2019 年からは、すべてが「流体のしずく」に落ち着いた。素電荷 e は 1.602 176 634·10⁻¹⁹ C に厳密に定められている。クーロンはおよそ 6 241 509 074 460 762 607.776 個の素電荷で、その先の桁はいくらでも数えられる。流体は粒状だったのだ。
酸を一滴たらすとジュースの色が変わり、塩は炎に色をつけ、水はひとたたきで凍る。その下に、Simetrium のすべてのページが分野別・五十音順に並ぶ。
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