01 · 定義
リットルは対等な記号を二つもつ唯一の単位である。小文字の l は数字の 1 や大文字の I に似すぎているため、1979 年に L と書くことが認められた。
一リットルは立方デシメートル、すなわち一辺十センチメートルの立方体である。形式的には立方メートルの千分の一であり、SI は dm³ を勧めている。それでもリットルは商取引にも医療にも暮らしにも深く根を張っていて、併用が認められた単位の一覧に残された。この単位は水につながれている。四度の水一リットルは一キログラムであり、暮らしのなかの計算はすべてそこに立っている。1901 年から 1964 年まで定義は別物だった。リットルは水一キログラムの体積とされ、そこに百万分の二十八のずれが生じた。
米ガロンは英ガロンより二割小さい。3.785 リットルに対して 4.546 リットルである。両国の「ガロンあたりマイル」の燃費はそのままくらべられないので、容器にはまぎれを避けるためリットルが書かれる。
02 · 換算
体積を入力すると、このシートが換算します
体積は、どの国も自前の升目を残した唯一の量である。ガロン、パイント、バレル、クォート。バレルも一種類ではない。石油バレルは 159 リットル、米国のビール樽は 117 リットルである。
1901 年から 1964 年まで、リットルは別のかたちで定義されていた。最大密度における水一キログラムの体積である。いまのリットルより百万分の二十八だけ大きく、その時期の精密な測定は換算しなおす必要がある。
| 単位 | 名称 | 値 | 使われる場面 |
|---|---|---|---|
| ml | ミリリットル | 1 000 | 医療と料理:cm³ に等しい |
| l | リットル | 1 | 商取引、暮らし、燃料 |
| hl | ヘクトリットル | 0.01 | ワイン醸造、ビール醸造、統計 |
| m³ | 立方メートル | 0.001 | SI 単位:1 m³ = 1000 l |
| cm³ | 立方センチメートル | 1 000 | エンジンの排気量、注射器 |
| dm³ | 立方デシメートル | 1 | リットルの形式的な定義 |
リットルは立方デシメートルである。ミリリットルは立方センチメートルに等しく、立方メートルはちょうど千リットルを容れる
03 · 桁の大きさ
一滴から貯水池まで大きめの牛乳パック — 1.5 l
04 · 測定器
リットルは何で測るか
細い首に標線が一本だけ引いてある。体積が正しいのは表示された温度、ふつうは二十度のときに限られる。クラス A の誤差は 0.1 % である。
滴定でマイクロリットルやミリリットルをはかるのに使う。自動ピペットは一マイクロリットルから、誤差一パーセントで吸い取る。
羽根車か超音波が、通り過ぎた体積を数える。住まいの水道メーター、給油所の計量機、ボイラー室の計量ユニット。どれも同じ原理である。
基準となるやり方である。容器を空のときと水を入れたときとで秤にかけ、密度から体積を出す。どんなガラスの計量器よりも正確である。
05 · 表記の規則
l と L は対等だが、一つの文書のなかではどちらか一方に統一する
SI は二つの記号をどちらも認めている。小文字の l が歴史のあるほうで、大文字の L は数字の 1 や文字の I とまぎれるために導入された。一つの文章のなかで混ぜるべきではない。接頭語はどちらにも付き、ml と mL は同じく正しい。筆記体の ℓ は規格に定められていない。
大文字の M はメガを意味する。「250 Ml」は二百五十メガリットル、すなわち立方キロメートルの四分の一と読む。ミリリットルの m はつねに小文字である。
06 · 近隣の単位
リットルは立方デシメートルであるから、SI 単位としての立方メートルがすぐ隣に立ち、ミリリットルは立方センチメートルとちょうど重なる。密度を介して体積はキログラムと、流量を介して秒とつながっている。
1000 リットル
dm³
= cm³
立方キロメートルは一兆リットルである。バイカル湖は 23 615 km³、つまり 2.4·10¹⁶ リットルの水をたたえている。
07 · 歴史の部
リットル以前は何で体積を測っていたか
231 立方インチ。アン女王時代のワインの升目である。米国では燃料も牛乳も塗料も、いまだにこの単位で売られている。
水十ポンドの体積。米ガロンより二割大きいので、両国の「ガロンあたりマイル」の燃費は直接くらべられない。
液体をはかる基本の単位で、十二リットル強にあたる。ウォッカはヴェドロとシトフで数え、十ヴェドロで一樽となった。
42 米ガロン。ペンシルベニアで石油を詰めた樽の大きさである。世界の原油価格はいまもバレル単位で示される。
六十三年のあいだ、リットルは立方デシメートルと一致していなかった
1901 年、度量衡総会はリットルを美しく定義しようとした。最大密度・常圧における純水一キログラムの体積、というものである。体積の単位を質量の原器に結びつける狙いだった。難点はあとから見つかった。水の密度の測定には誤差があり、そう定義されたリットルは立方デシメートルより百万分の二十八だけ大きかった。六十年のあいだ、精密な仕事ではどちらのリットルを指すのか断らねばならず、「ml」と「cm³」は互いに置きかえられなかった。1964 年にこの定義は廃止され、単純なところへ戻った。リットルは立方デシメートルである、それだけだ。
カタログ · 測定単位
量ごとに一枚のシート
SI の基本単位が七つ、固有の名称をもつ組立単位が二十二、そして技術にも暮らしにも欠かせない SI 外の単位。それぞれに一枚のシートがある。定義、換算、測定器、表記の規則。36 言語で。
SI 外の単位
リットルのシートを開くSI の基本単位
テラコッタ色は、リットルを定義している単位固有の名称をもつ SI 組立単位
二十二枚のシートシートの言語
36 言語。記号 l と L は国際共通であり、訳されるのは測定器の名前、液体の名前、目盛りの説明である。